2026/4/6
全国の2割が赤字
本日4月5日の朝日新聞は、水道事業料金の特集でした。全国の水道事業の2割が赤字であり、水道管耐震化や更新をするためには値上げは避けられないとか、整備更新のための追加費用である「資産維持費」を料金に盛り込むべきとの意見が紹介されています。
国の資料(2024年9月総務省自治財政局公営企業経営室・準公営企業室)によれば、有収水量は1998年をピークに減少し、2050(R32)年にはピーク時の67%程度に、2100(R82)年には37%程度になると示されています。水道事業は独立採算制であり、料金を払って水を使用する戸数や人口が減れば経営は苦しくなり、水道料金が高くなる傾向があります。
大津市は黒字だが・・・
大津市の水道事業は2025年度は営業収支は2億5千8百万円の純益があり、ただちに水道料金値上げには結びつきません。一方、人口減少に伴い水需要は減少していくでしょうし、水道管更新等の当然かかりますので、値上げは避けて通れないとも言われています。
清潔・安価な水の提供は自治体の責務
しかし、考えてみれば、人は水がなくては生きていけません。まさに“命の水”です。2018年に、水道民営化促進のために、安倍政権が水道法を改悪し、民間事業者が水道事業に参入できるようになるまでは、自治体か水道組合の公共団体しか水道事業はできませんでした。
それは、採算性を後回しにしても設備を整備し水質を確保した安価で豊富な水の供給を保障しなければならないからです。その本質は、今も変わっていません。
水道法は、第一条で「清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もつて公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的」とされ、第二条で「水源及び水道施設並びにこれらの周辺の清潔保持並びに水の適正かつ合理的な使用に関し必要な施策を講じなければならない」と国及び自治体の責務を定めています。
要するに、清潔で安価な水を供給し、そのために施設の整備などをしっかりやりなさいと法律で定めているわけです。しかし、人口減少などで その整備ができなくなっている自治体がでてきています。なら、料金値上げも、仕方ないのでしょうか?
水道は税金で守ることが現実的
朝日新聞の記事中、大阪公立大・水上教授は「今後も独立採算制を続けられるのは…十分な料金収入が見込める自治体だけ。…水は「商品」か「共有の資源」か。商品なら料金が高くても独立採算を続けることに。共有の資源であれば、税金を使って守っていくもの。人口減少が進む日本の大部分では、もはや税金で水道を守っていくのが現実的。国の補助金や自治体の繰入金の幅を広げることを考える時」(要旨)としている。
そうなんです! 実は水道法の第二条の二には、国の責務として「水道事業者等に対し必要な技術的及び財政的な援助を行うよう努めなければならない」と定めています。しかし、これを政府は忘れたかのように、民営化へむけてコンセッションを含むウォーターPPPの推進の「援助」はするが、財政的援助は一向にせず、自治体の自己責任に帰するばかりです。
本来は、水道管の耐震化・更新事業も政府が責任をもって大幅な財政援助を増額しなければなりません。軍事費を増やしている場合ではないのです。
「公共財」「主権者」として
水は「公共財」で「商品」ではありません。多くの自治体が「資産維持費」を水道料金に算入しないのは、「清浄にして豊富低廉な水の供給」を頑張って維持しているからです(感謝)。
水道法の第1条、第2条の目的をまもる自治体の努力を政府は、第二条の二で援助しないといけないと考えます。
ひるがえって、私たちにも水の「消費者」でなく、税金で水道事業という公共財を支えている「主権者」として、自治体の動向を注視し、政府や自治体に対してしっかりと説明を求め要求していくことが大事です。
それが、自分の住む自治体の水道事業を支えていくことにつながるのではないでしょうか。


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ナカガワ テツヤ/69歳/男
ホーム>政党・政治家>中川 てつや (ナカガワ テツヤ)>水道料金をどう考える 商品か公共財か 消費者か主権者か