2026/2/19
大阪・関西万博の開催を踏まえ、令和8年度八尾市市政運営方針ではアフター万博をテーマとする観光政策の方向性が重点項目として示されました。
市政運営方針では、
などが掲げられています。
万博を一過性のものとせず、誘客や関係人口の増加につなげる姿勢は明確です。
また、第6期実施計画では、令和8年度より「市外から本市への観光来訪者数」を成果指標として設定されています。単なる事業実施の有無ではなく、実際のアウトカム(成果)に着目する点は評価できると考えます。
一方で、いくつか整理が必要な点もあります。
第一に、万博後の観光戦略の軸です。
本市は、地域資源活用型や体験創出型、都市近郊日帰り型、産業観光型、拠点整備連動型といった基礎自治体の観光施策類型の中でどの分野を主軸とし、中長期的にどのような位置づけで展開していくのか、その全体像を明確化する必要があります。
第二に、「空飛ぶクルマ」の位置づけです。
空飛ぶクルマは万博の象徴的プロジェクトとして紹介されていますが、その実現や事業化は制度設計や民間事業主体、広域的な枠組みに大きく依存します。行政としてどの段階まで関与するのか、役割分担やロードマップ、財政負担の考え方をどのように整理されるのか。

第三に、成果指標のあり方です。
市への来訪者数の把握は重要ですが、それだけで観光政策の成果を測ることは十分とは言えません。来訪者の消費額、滞在時間、回遊性、リピーターの状況など、質的側面をどのように把握し、地域経済への波及効果と結びつけて検証するのか。数値の取得方法や分析手法についても、明確に示されるべきです。
万博は今後の市の観光施策にとって一つの契機でした。
これまでも私は、八尾の山手地域の夜景などの資産を観光資源として活用できないか、交流人口の増加につなげられないかについて、執行部へ提言と議論を重ねてきました。
また、大阪市に隣接し、鉄道軸が複数本接続、25万人の人口と歴史・文化を有する本市の地域資源をどう磨き上げるかについても、方向性の共有を図ってきたところです。また、体験型ふるさと納税返礼品など新たなスキームの活用による振興策についても、可能性を探っています。
こうした経緯を踏まえ、3月議会では、市政運営方針が単なる方向性の提示にとどまらず、実効性ある施策へと具体化されるのかを見極めてまいりたいと思います。
万博後の機会を本市の持続的な発展につなげられるかどうか。今こそ、その戦略性と実行力が問われています。
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