2026/3/25
市長選挙期間に入り、各陣営の活動が活発になっています。
以前からお知らせしている通り、私は 田中 まさたけ さん を支持する立場で、選挙活動にも参加しています。
その最大の理由は、現在の石井市長による市政運営に、大きな不満を抱いているからです。
本日は、石井市政に厳しく対峙してきた会派・議員の一人として、財政運営を中心に石井市政の問題点を明らかにしていきます。(長文です)
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私が市議会議員に就任したのは、2019年6月。
同年9月に迎えた初めての決算審査は、2018年度分を対象としたものでした。
改めて振り返ると、この年度は一般会計の規模がまだ1,700億円台って、隔世の感があるな。。。(直近では2,000億円超えているので)
とはいえ、予算規模の伸びは、コロナ禍以降、感染症への対応や経済対策により国費が多く投入されていることや、歳入・歳出ともに物価上昇の影響を受けていることが背景にあるので、それ自体を問題視するわけではありません、
大事なのは、収支構造(分かりやすく言えば、黒字・赤字の状況)ですよね。
ここから主に用いる数字は2種類です!
まず、「実質単年度収支(普通会計ベース)」は、その年における黒字・赤字の状況を、最も分かりやすく示した数字です。
自治体の決算には、前年度からの繰越や、貯金を取り崩したことによる収入も含まれるので、そうした要素を差し引いた、シンプルな単年度の結果とお考え下さい。
もう一つが「財政調整基金・減債基金の残高」です。
基金とは市が積み立てている貯金ですが、基金の中には特定の用途に使用するものもあるため、比較的自由に使える(赤字の補填に使える)財政調整基金と減債基金の合計額で見ていこうと思います。
本記事で、黒字・赤字と記載している箇所は基本的に「実質単年度収支」を、基金と記載している箇所は「財政調整基金・減債基金の合計」を指すとお考え下さい。
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2018年度決算は約5億円の赤字で、財政調整基金の取り崩しは無し。
赤字なのに貯金を使わずに済んだのは、黒字だった前年からの繰越があるからですね。
結果的に、基金残高はこの年度の260億円がピークだったことになります。
2018年は石井市長が就任された年でしたから、市長に批判的な私たちが主張する「市長就任以来、7年続けて実質的な赤字!」「基金が大幅に減少している!」という状況は、この決算を起点としています。
その前の5年間の決算状況を確認すると、高齢化等の影響で、扶助費が437億円から486億円に増加しています。
にもかかわらず2017年度まで黒字が続いていたのは、その分、公債費(借金の返済)が減っていたからです。
西宮市は、震災復興によって一時期に多額の借金を背負ったため、その返済が順番に終わっていく2010年代は、毎年、公債費が減少していたという事情があります(2014年度:190億円→2018年度:152億円)
しかし、ついに歳出の伸びを公債費の減ではカバーできなくなり、赤字が表面化した。
これが、石井市長就任時の財政状況です。
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この時期に就任した市長は何をやるべきか。
民間企業の社長なら当然、売上を伸ばし、事業を取捨選択して、経費を圧縮して、赤字を回避しようとしますよね。
市長も同様に、このタイミングで組織のトップに立ったのなら、収支構造を根本的に見直すことこそが使命でした。
しかし、石井市長には、その取り組みが圧倒的に不足していました。
2019年度には、市長の意向をふまえた「行政経営改革基本方針」が示されましたが、市長はこの方針について、市役所の「体質改善」を目指すものと明言し、財源捻出が主たる目的ではないと位置づけました。
私は当時、総務常任委員会の副委員長を務めておりましたので、当時の議論をよく覚えていますが、私たちを含め財政状況に危機感を持つ複数の会派・議員から、財源捻出を目指すべきでは、数値目標を設定するべきでは(されてなかったんですよね…)との声が相次ぎました。
後に、2024年になってから、市は公式に「行政経営改革基本方針を策定し、取組を進めてきたが、十分な効果を上げるまでに至っていない」と、その失敗を認めています。
ここなんですよ。
確かに、赤字となる要因は、石井市長の就任前からあったのかもしれない。
(討論会等で、石井市長がそうした趣旨の発言をされているとも聞いています)
でも、このときに、きちんと改革を進めていれば。
この度の財政危機は起きなかった、少なくとも影響を食い止めることができたはす。
財政改善のための取り組みだって、議会からいくつも提案してきたのに。
会派・ぜんしん所属議員の過去の質問を見ていただければ、どれだけ具体的な政策を提言し続けてきたのか、よくご理解いただけるかと思います。
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そして訪れた翌年、2019年度決算の衝撃。
赤字50億円、基金取り崩し53億円という、とんでもない金額を計上したのです。
しかも、何の特殊要因があるわけでもなく…当時の基金残高260億円の、約5分の1を1年で使う計算ですからね。
貯金260万円の家庭が、車を買ったわけでもないのに、日々の生活だけで年間50万円も貯金減ってたら相当ヤバイでしょ…
当時の財政担当者の緊迫した表情、先輩議員たちの「これはあかんやろ…」という雰囲気、今でも鮮明に覚えています。
私自身、議員2年目で、今にして思えばことの重大性を受け止めきれていなかったかもしれませんが、それでもこんなブログを書いていました。
2020/8/21「覚悟はしてたけど…」
https://ameblo.jp/takanostyle/entry-12619319053.html
※文中の基金残高には減債基金を含んでいないため、本記事の数値とは少し異なります。
2020年度は44億円の黒字も、これは新病院の用地を取得するため公社に貸し付けていた費用が返還されたためで、その影響を除くと11億円の赤字。
2021年度は29億円の黒字も、これはコロナ対応に伴う国からの交付金等が上振れした影響。
私たちが「7年連続赤字!」と断言できず、「7年続けて実質的な赤字」とか「赤字基調」という表現を用いているのはこのためです。
この時期も、財政の担当者は決算の説明をするたびに「見かけ上は黒字でも、本当は違うんです!」と必死で訴えていました。
しかし、結果的に、この2年間で基金の取り崩しが発生しなかったため、2019年度決算の衝撃が薄れてしまった、危機感が弛んでしまった面はあろうかと思います。
その雰囲気を締めるのが、本来、市長の役割なんですけど。
2022年の前回市長選でも、石井市長が財政について強く訴えていた記憶はありません。
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しかし、そんな外部要因任せの黒字が続くはずもなく。
再び衝撃を与えたのが、2022年度決算でした。
42億円の赤字、21億円の基金取り崩し。
その先も、年間40億円規模の収支不足が常態化すると明らかになりました。
2023/9/21「2022年度決算が示す、本市財政の厳しさについて」
https://ameblo.jp/takanostyle/entry-12865449443.html
この決算審査が行われた2023年9月定例会で、その後の市政運営のターニングポイントとなる議会答弁がありました。
それを引き出したしぶや議員の質問とあわせて、趣旨をご紹介します。
2023年9月25日決算特別委員会総務分科会
(しぶや議員)
衝撃的な数字が飛び交っているが、財務局として、ここから最悪の場合、どのぐらいの時期にどういうことが起こり得ると考えているか。
(市当局)
早ければ令和7年度や8年度に当初予算編成の際に、適正な当初予算編成が困難になりかねないという状況になっている。
この「早ければ令和7年度や8年度に予算を組めなくなるかもしれない」という事実が明らかとなったことで、財政構造改善の取り組みが始められることとなったのです。
財政構造改善の取組が進捗している!だから私はこれだけ財政面で成果を上げてるんだ!的な発信を石井市長はされているようですが、そもそも、それだけ危機的な状況だという事実を公式の場で明らかにし、当局の重い腰を上げさせたのが議会側だったってことは、忘れてもらっちゃ困りますよ。
財政が改善することは、市民にとって良いことだから、別に政治家同士で「これはこっちの成果だ!」って言い合おうとは思わないけどね。
本当に市長が自ら危機感を抱いていたら、決算を報告するのとあわせて今後の取組を打ち出していたはずですが、実際には前述の答弁の後、9月定例会後にバタバタと方針を示し始めたのでした。
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財政構造改善がスタートしてからの進捗状況は、私の投稿を継続してご覧になられている方には馴染みのあるお話かと思います。
直近の令和8年度予算では、収支状況が好転しているように見えるとはいえ、それは社会情勢に伴う市税収入の増加が主たる要因。
外部的な要因で収支が改善しても、構造的な改革が不十分であれば、またすぐに大幅な赤字に転落する。
直近の状況が、2019年から2022年にかけての流れと似ているように思えて仕方がないのです。
財政構造改善の取組自体が概ね計画通りに進捗していても、今年からは年間+6億円の「こども医療費無償化」も実施しているんだから、その分の財源まで生み出さないと、十分な成果とは言えません。
2026/3/4「都合の良い話だけ盛り込むのは駄目でしょう。。。」
https://ameblo.jp/takanostyle/entry-12958650076.html
赤字続きで感覚が麻痺しそうになりますが、そもそも直近の決算は依然として赤字ですからね…
本市の財政を圧迫している最大の要因である人件費についても、私たちは「給料表の各級における号が多く、昇進しなくても給料が上がり続ける傾向にある=年功序列的な要素が強い」という本質的な課題に取り組むよう、再三求めてきました。
財政危機が表面化した昨年になってもなお進展が見られなかったため、議会から修正案を提出して給料表を是正するという、前代未聞の取組に発展しました。
2025/3/6「前代未聞!?人件費増に直結する条例改正案に修正案を提出→委員会で可決されました!」
https://ameblo.jp/takanostyle/entry-12888923359.html
こうした経緯を改めて振り返ると、やはり石井市長には危機感が欠如しており、財政改善の具体的な成果は期待できないという結論に至ります。
私が田中候補を支持する最大の理由は、この部分に切り込んでいただけると信じているからです。
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市議たちが「財政危機だ!」って主張してるけど、予算を承認してきた自分達にも責任があるんじゃないの?というご批判を頂くことがあります。
それは、その通り。
その責任から逃れるつもりはありません。
一方で、市長が主張している成果の中に、市議たちが提言してきた内容が含まれていることもまた事実です。
石井市長が悪、私たちが正義、といった、単純な構図に落とし込もうとは思いませんし、するべきでもありません。
その中で、日々市政に取り組む私たちが、どのような経緯をふまえて、どのような考えに基づいて、今の市長選挙に向き合っているのか。
そのことを知っていただきたく、今回の投稿に至りました。
願わくば、この選挙が、人格攻撃や必要以上の対立構造を煽るものではなく、市民にとって有益な政策論争の場となりますように。
そのために、ご意見、ご批判、ご質問、すべて大歓迎です。
たくさんの想いを背負って、この選挙期間、最後まで走り抜いてまいります。
長文へのお付き合い、ありがとうございました。
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